のっぺい汁とは

 

「のっぺい汁」は日本全国に分布する郷土料理の一つです。その呼び方も地方によって微妙に異なり、「のっぺ」「のっぺ煮」「のっぺ鍋」などと様々ですが、どの地方でも自分たちの郷土料理だと思われているところが「のっぺい汁」の特徴です。

 

基本的には、だし汁に里芋と季節の野菜、鶏肉、かまぼこなどを入れて葛粉や片栗粉などでとろみをつけたすまし汁です。汁が粘って餅のようであることから「濃餅」となったり、ぬらりとしたことを意味する「ぬっぺい」がなまって「のっぺい」になり「能平」や「野平」の当て字が使われることも多いようです。

 

だし汁の材料は、干ししいたけや貝柱の他に、煮干、かつおなども使用されています。要するに何でもOKということのようです。

 

新潟県の「のっぺい汁」は、里芋、人参、大根、こんにゃく、れんこんなどの野菜類に鶏肉を加え、だし汁で煮込んだとろみのある汁物です。冷やして食べるのが一般的であるようですが、温かくしてももちろん美味しいです。

 

各家庭や地域によるバリエーションも非常に豊富であり、新潟の名産品である鮭やイクラをいれる場合も多いようです。

 

とろみに関しては、水溶き片栗粉などでとろみを付ける場合と、片栗粉などを使用せず、里芋によって自然なとろみを付けていく場合があるようです。

 

2007年には、農林水産省により農山漁村の郷土料理百選に、新潟県の郷土料理として「笹寿司」と共に選ばれています。