五泉の里芋

 

のっぺい汁の具材の中で、欠かすことの出来ないのが里芋です。里芋は新潟の特産品でもあり、その中でも有名な里芋の生産地が五泉です。

 

五泉では、昔から各農家で自家野菜として里芋を栽培してきました。特に、昭和45年の稲作の減反政策などを受けて、本格的な里芋の栽培に取り組み始めるようになったのです。

 

その後、生産者の長年にわたる品種改良や種芋維持の努力によって、その品質を確立してきたわけなのです。そして、昭和62年には県内で唯一「国の指定産地」を受け、その生産量も県下一となったのです。

 

五泉で栽培されている里芋は、大和早生(やまとわせ)という丸芋系品種であり、およそ20年余りにおよぶ品種改良を組み入れた栽培を重ねて、優良な品質を作り上げてきたものです。

 

その里芋の肌は白くきめ細やかであり、口に入れるとまろやかなぬめりのある食感を持っています。その美味しさは、他の産地のものとは比べものにならないといえるでしょう。

 

また、阿賀野川が運んできた肥沃な土壌というものも、美味しい里芋が育つための重要な要素となっているようです。

 

五泉の里芋は「帛乙女」(きぬおとめ)という名品です。五泉の里芋の特徴である白さときめ細かさを、日本三大白生地産地である地元五泉産の「絹織物」の帛にたとえ、乙女のような愛らしさで、人々に親しんでもらえるようにと名付けられているのです。